ホンダのグロム125は、コンパクトながらスポーティな走行性能を持ち、多くのライダーに人気があります。しかし、最高速度について「遅い」と感じる方もおり、より速く走るためのカスタムに興味を持つ方も多いです。特に、モンキー125と比較されることが多く、どちらが速いのか気になる方もいるでしょう。
グロム125の最高速は純正状態で約102.5km/hですが、181ccや145ccへのボアアップを行うことで、さらにスピードを向上させることが可能です。ただし、ボアアップにはエンジンへの負担や法的な制約があるため、慎重に検討する必要があります。
また、最高速を上げるには、エンジンの排気量を変更するだけでなく、ギア比の調整やECUの書き換え、マフラーの交換など、さまざまな方法が考えられます。それぞれにメリットと欠点があるため、目的に合ったカスタムを選ぶことが大切です。
この記事では、グロム125の最高速に関するデータやモンキー125との比較、速くするためのカスタム方法について詳しく解説します。グロム125のポテンシャルを最大限に引き出したい方は、ぜひ参考にしてください。
グロム125の最高速は?モンキー125との比較
ホンダのGROM125とモンキー125は、同じ125ccクラスのエンジンを搭載していますが、設計や用途に応じて性能や特徴に違いがあります。以下に、主な相違点をまとめました。
参考サイト:モタファン
1. エンジンとトランスミッション
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GROM125:2021年モデルから5速ミッションを採用し、1速から4速までを加速重視、5速を高速巡航向けとしたギア比設定となっています。
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モンキー125:初期モデルは4速ミッションでしたが、最新モデルでは5速ミッションに変更されています。エンジンはロングストローク化され、低中速域でのトルクが向上しています。
2. 最高速度
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GROM125:5速ミッションの採用により、最高速度は約102.5km/hに達すると報告されています。また、メーター読みで122km/hになったという報告もあります。
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モンキー125:最新モデルでは、メーター読みで120km/hを超える最高速度が確認されています。速度計で約100km/hという報告があります。
3. 加速性能
0-100mの加速テストでは、以下の結果が報告されています。
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GROM125(新型):100m到達時の速度は約69.8km/h
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モンキー125:100m到達時の速度は約68.8km/h
このデータから、両車の加速性能は非常に近いことがわかります。
総合的に、GROM125はスポーティな走行を求めるライダーに、モンキー125はクラシックなデザインと快適な街乗りを重視するライダーに適していると言えます。どちらのモデルも個性的な魅力を持っており、用途や好みに合わせて選択することをおすすめします。
グロム125の最高速を上げる方法
ホンダ GROM125の純正状態での最高速度は、一般的に100~110km/h程度とされています。
ただし、道路状況や風向きなどの条件によって変動する可能性があります。
最高速度を向上させる方法として、以下のカスタムが考えられます:
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エンジンの排気量アップ(ボアアップ)
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ギア比の変更
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ECUの書き換え
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マフラーの交換
これらのカスタムを検討する際は、エンジンや車体への負担、法的な制約、そして安全性を十分に考慮することが重要です。また、カスタム後は定期的なメンテナンスが必要となる場合があります。
以下に詳しく述べていきます。
さらに、5速ミッションを搭載した新型グロムでは、最高速度の向上が報告されています。
以下の動画で詳しく解説されていますので、ご参考ください。
1.エンジンの排気量アップ(ボアアップ)
ホンダ GROM125のエンジン排気量をアップ(ボアアップ)することで、パワーとトルクの向上が期待できます。以下に、ボアアップの詳細と注意点をまとめました。
1. ボアアップキットの種類と特徴
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排気量の選択:GROM125用のボアアップキットは、145ccや181ccなど、さまざまな排気量が用意されています。例えば、SP武川からは145ccの「S-ステージαボアアップキット」が発売されています。参照元:モトファン
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キットの内容:一般的なボアアップキットには、専用シリンダー、ピストン、ピストンリング、スポーツカムシャフト、各種ガスケット、インジェクションコントローラーなどが含まれます。これらの部品により、エンジンの排気量を増加させ、性能向上を図ります。
2. ボアアップの効果
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パワーとトルクの向上:排気量の増加により、エンジンの出力が向上します。例えば、181ccにボアアップした場合、ノーマルの約8馬力から約18馬力へと大幅なパワーアップが報告されています。
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高回転域での性能向上:ボアアップと適切なカムシャフトの組み合わせにより、高回転域でのパワーが向上し、最高速度のアップが期待できます。
3. 注意点
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燃調の適正化:ボアアップ後は、燃料供給量の調整が必要です。適切な燃調を行わないと、エンジンブロー(故障)のリスクが高まります。実際に、燃調不良が原因でエンジンブローを起こした事例もあります。
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エンジン内部の強化:大幅な排気量アップを行う場合、クランクシャフトやコンロッドなどの内部部品の強化が推奨されます。これにより、エンジンの耐久性を確保できます。
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法的規制:日本では、原動機付自転車の排気量を改造する場合、適切な手続きや登録が必要です。また、排気量の増加に伴い、ナンバープレートの区分や保険の変更が求められる場合があります。改造を行う前に、最新の法規制を確認し、適切な手続きを行ってください。
4. 施工方法
ボアアップ作業は高度な技術を要するため、専門の知識と工具が必要です。作業手順を詳しく知りたい場合は、以下の動画が参考になります。ただし、作業は自己責任で行い、不安がある場合は専門のショップに依頼することをおすすめします。
ボアアップは、GROM125の性能を大幅に向上させる有効な手段ですが、適切な知識と準備が不可欠です。安全性と法的遵守を最優先に、計画的に進めてください。
2.ギア比の変更
ホンダ GROM125のギア比変更は、加速性能や最高速度の調整に有効な手段です。以下に、ギア比変更の詳細とその影響について説明します。
1. ギア比の基本構造
GROM125の駆動系は、エンジンの回転を後輪に伝える際に、一次減速比、二次減速比、そして各ギアの変速比によって構成されています。これらの組み合わせにより、最終的な後輪への回転数が決定されます。
- 一次減速比:エンジンからクラッチまでの減速比。
- 二次減速比:フロントスプロケットとリアスプロケット間の減速比。
- 変速比:トランスミッション内の各ギア段の比率。
2. 標準のギア比設定
2024年モデルのGROM125の標準的なギア比は以下の通りです。 citeturn0search5
- 一次減速比:3.040
- 二次減速比:2.533(フロントスプロケット15T、リアスプロケット38T)
- 変速比:
- 1速:2.846
- 2速:1.777
- 3速:1.315
- 4速:1.034
- 5速:0.843
3. ギア比変更の方法
ギア比の調整は主に二次減速比の変更によって行われます。具体的には、フロントまたはリアのスプロケットの歯数を変更する方法があります。
- フロントスプロケットの変更:歯数を増やすと最高速度が向上し、減らすと加速性能が向上します。
- リアスプロケットの変更:歯数を増やすと加速性能が向上し、減らすと最高速度が向上します。
例えば、リアスプロケットの歯数を38Tから36Tに減らすと、二次減速比が小さくなり、最高速度が向上する傾向があります。ただし、加速性能は若干低下する可能性があります。
4. ギア比変更の影響
ギア比を変更することで、以下のような影響が考えられます。
- 加速性能の変化:二次減速比を大きくすると(リアスプロケットの歯数を増やす)、低速域での加速が鋭くなります。
- 最高速度の変化:二次減速比を小さくすると(リアスプロケットの歯数を減らす)、エンジン回転数あたりの車速が上がり、最高速度が向上します。
- 燃費への影響:高回転域での走行が増えると燃費が悪化する可能性があります。
5. 注意点
ギア比の変更は、車両の特性や使用目的に合わせて慎重に行う必要があります。また、スプロケットの変更に伴い、チェーンの長さやテンションの調整も必要となる場合があります。作業は専門的な知識と技術を要するため、信頼できるショップや整備士に相談することをおすすめします。
さらに、ギア比の変更は車両の法的適合性や安全性に影響を及ぼす可能性があるため、改造を行う際は関連する法規制を確認し、適切な手続きを行ってください。
3.ECUの書き換え
ホンダ GROM125のECU(エンジンコントロールユニット)書き換えは、エンジンの性能を最適化し、パワーやトルクの向上、スロットルレスポンスの改善などを実現する有効な手段です。以下に、ECU書き換えの詳細、効果、注意点について説明します。
1. ECU書き換えとは
ECU書き換えとは、バイクのエンジン制御プログラムを再設定し、燃料噴射量や点火時期などのパラメータを最適化する作業を指します。これにより、エンジンの性能を引き出し、ライダーの好みに合わせた特性に調整することが可能です。
2. ECU書き換えの効果
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パワーとトルクの向上:ECUの再設定により、エンジンの出力特性が最適化され、特に中低速域でのトルクが向上します。これにより、日常の走行での扱いやすさが増し、加速性能も向上します。
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スロットルレスポンスの改善:スロットル操作に対するエンジンの反応が鋭くなり、ライダーの意図に即した加速が可能となります。
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エンジンブレーキの調整:燃料カットのタイミングを調整することで、減速時のエンジンブレーキの効き具合を変更し、よりスムーズなシフトダウンやコーナリングが可能となります。
3. ECU書き換えの事例
例えば、兵庫県の「10ファクトリー」では、GROM125(JC92)の国内仕様車に対してECU書き換えを実施し、後輪出力で10.94馬力を達成した事例があります。この車両は、OVER製チタンフルエキゾーストマフラーや武川製エアフィルターなどを装着しており、ECU書き換えにより全域でのトルクとパワーの向上が報告されています。
4. 注意点
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専門知識の必要性:ECU書き換えは高度な技術を要するため、専門の知識と設備を持つショップでの作業が推奨されます。
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保証や法的規制:ECUの改造はメーカー保証の対象外となる場合や、法的な規制に抵触する可能性があります。作業前に十分な確認が必要です。
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適切なセッティング:エンジンや吸排気系のカスタム内容に応じて、ECUの設定を最適化する必要があります。不適切なセッティングはエンジンの不調や故障の原因となる可能性があります。
5. ECUリセットとの違い
ECUリセットは、ECUが学習したデータを初期化する作業であり、書き換えとは異なります。マフラーやエアクリーナーの交換後など、センサーからの情報が変化した際にECUリセットを行うことで、ECUが新たな状態を学習し、エンジンの調子を整えることができます。ただし、サブコン(サブコンピュータ)を装着している場合や、特定の条件下ではECUリセットが推奨されないこともあります。
ECU書き換えは、GROM125の性能を引き出す有効な手段ですが、専門的な知識と適切なセッティングが求められます。信頼できるショップと相談し、法的な規制や保証の範囲を確認した上で、作業を進めることをおすすめします。
4.マフラーの交換
ホンダ GROM125のマフラー交換は、性能向上や外観のカスタマイズを目的として多くのライダーに人気のある改造です。以下に、マフラー交換の種類、メリット・デメリット、注意点について詳しく説明します。
1. マフラー交換の種類
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スリップオンマフラー:サイレンサー部分のみを交換するタイプで、比較的手軽に交換可能です。音質や外観の変化が主な特徴です。
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フルエキゾーストマフラー:エキゾーストパイプからサイレンサーまで全てを交換するタイプで、性能向上が期待できます。ただし、取り付けには専門的な知識と技術が必要です。
2. マフラー交換のメリット
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性能向上:フルエキゾーストマフラーに交換することで、排気効率が向上し、エンジンの出力やトルクが増加する可能性があります。特に、エキパイの長さや形状を最適化することで、低中速域でのトルクアップが期待できます。
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音質・音量の変化:マフラー交換により、排気音の質や音量が変化します。好みのサウンドにカスタマイズすることで、ライディングの楽しさが増すでしょう。
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外観のカスタマイズ:デザイン性の高いマフラーに交換することで、バイクの外観を自分好みにアレンジできます。
3. マフラー交換のデメリット
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騒音問題:音量が大きくなりすぎると、近隣への迷惑や法的問題につながる可能性があります。特に、JMCA(全国二輪車用品連合会)認定外のマフラーは、音量規制を超える恐れがあるため注意が必要です。
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メーカー保証の無効化:純正部品以外のマフラーに交換することで、メーカー保証が受けられなくなる場合があります。
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エンジンのパワーダウン:適切なセッティングを行わないと、逆にエンジン性能が低下する可能性があります。特に、燃調の調整が不十分な場合、エンジンに悪影響を及ぼすことがあります。
4. マフラー交換時の注意点
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法的規制の確認:日本では、バイクの騒音規制が厳しく定められています。交換するマフラーが法的基準を満たしているか、JMCA認定を受けているかを確認しましょう。
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適切なセッティング:マフラー交換後は、燃料調整(燃調)やECUの再設定が必要となる場合があります。適切なセッティングを行わないと、エンジンの不調や故障の原因となることがあります。
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取り付け作業の注意:マフラー交換作業は、エンジンや車体に影響を与える可能性があるため、確実な知識と技術が求められます。自信がない場合は、専門のショップに依頼することをおすすめします。
マフラー交換は、GROM125の魅力をさらに引き出すカスタマイズの一つですが、安全性や法的遵守を最優先に考え、適切な製品選びと作業を行うことが重要です。
グロム125の最高速と性能まとめ
- グロム125は5速ミッションを採用し、スポーティな走行を可能にする
- 最高速度は約102.5km/h、条件次第でメーター読み122km/hに達することもある
- モンキー125と比較すると加速性能は僅差で、ほぼ同等の速さを持つ
- ボアアップにより排気量を増やせば、パワーと最高速の向上が期待できる
- ギア比の変更で加速重視か最高速重視かの調整が可能
- ECUの書き換えで燃調最適化し、スロットルレスポンス向上が可能
- マフラー交換で排気効率を向上させ、パワーアップを狙える
- 最高速向上にはエンジン負担や燃費悪化のリスクが伴う
- 高速巡航を重視するなら5速ギアを活かしたセッティングが重要
- カスタムによる最高速の向上には法規制を順守する必要がある
- 燃調不良やエンジン内部の強化不足はエンジンブローの原因となる
- スプロケットの歯数変更で加速と最高速のバランスを調整できる
- 軽量パーツの導入により加速とハンドリング性能の向上が可能
- 適切なメンテナンスを行わないと最高速維持が難しくなる
- 法的規制や安全性を考慮した適切なカスタムが求められる