ハンターカブとクロスカブの違いが気になっている方は多いのではないでしょうか。どちらもホンダの人気カブシリーズをベースにしたモデルで、見た目は似ていても、その中身やコンセプトには大きな違いがあります。本記事では、スペック、走行性能、装備、メンテナンス性など多角的な視点から、ハンターカブとクロスカブの違いをわかりやすく解説します。どちらを選ぶべきか悩んでいる方にとって、ぴったりの一台を見つけるヒントになる内容をお届けします。
ハンターカブとクロスカブの違いとは?
・基本スペックと装備の比較
・エンジン性能と走行フィーリング
・デザインとコンセプトの違い
基本スペックと装備の比較
ハンターカブ(CT125)とクロスカブ(CC110)は、見た目こそ似ているものの、その基本スペックや装備には明確な違いがあります。排気量はハンターカブが125cc、クロスカブが110ccとやや差があり、最高出力でもハンターカブの方がパワフルです。車両重量はハンターカブが重く、シート高も高めに設定されています。
装備面では、ハンターカブは前後ディスクブレーキや大型燃料タンク、スポークホイールなど、アウトドアや長距離ツーリングに適した構成が特徴です。クロスカブは軽量なキャストホイールにチューブレスタイヤ、フルカバー式のチェーンガードなど、日常使いや街乗りに便利な装備が充実しています。
このように、ハンターカブは「アウトドア志向で頼れる相棒」、クロスカブは「実用性と軽快さを兼ね備えた通勤・街乗りバイク」として棲み分けられています。
以下は、ハンターカブ(CT125)とクロスカブ(CC110)の主なスペックと装備を比較した表です。
項目 | ハンターカブ(CT125) | クロスカブ(CC110) |
---|---|---|
排気量 | 125cc | 110cc |
最高出力 | 約9.1馬力 | 約8.0馬力 |
車両重量 | 約118kg | 約107kg |
シート高 | 約800mm | 約784mm |
燃費(実測値) | 約58.7km/L | 約68.7km/L |
タンク容量 | 約5.3L | 約4.1L |
フロントブレーキ | ディスクブレーキ | ディスクブレーキ |
リアブレーキ | ディスクブレーキ | ドラムブレーキ |
タイヤ仕様 | スポーク+チューブ | キャスト+チューブレス(2022年以降) |
チェーンカバー | オープンタイプ | フルカバータイプ |
エンジン性能と走行フィーリング
ハンターカブとクロスカブの最大の違いの一つは、エンジンのフィーリングにあります。ハンターカブは125ccエンジンを搭載し、低速から力強いトルクを発揮するため、発進時や坂道での走行がとてもスムーズです。特に3速での粘り強さは、山道や荷物を積んでの走行でも余裕が感じられます。
一方で、クロスカブは高回転まで気持ちよく回る110ccエンジンを搭載しており、軽快さが際立ちます。街中でのストップ&ゴーや、ちょっとしたツーリングでは非常に扱いやすく、鼓動感のある走りを楽しめます。
つまり、力強さと安定感を求めるならハンターカブ、軽快な走りと操作性を重視するならクロスカブがおすすめです。
デザインとコンセプトの違い
デザインや車両のコンセプト面でも、ハンターカブとクロスカブには明確な違いがあります。ハンターカブは、もともとアドベンチャーやアウトドア用途を意識したモデルであり、フレームの剛性や足回りの設計、さらにはカラーリングや外観にも「オフロード感」を強く打ち出しています。フロントフォークやサスペンションの構造もタフで、ダート走行における安定性が意識されています。
一方、クロスカブは「カブらしさ」を大事にしながら、遊び心と日常使いを両立したデザインになっています。フレームマウント式のヘッドライトやカラフルなバリエーション、実用的な装備が特徴で、通勤・通学・ちょっとした買い物にも馴染むスタイルです。
つまり、ハンターカブは冒険心をくすぐる相棒、クロスカブは日常と遊びをつなぐカジュアルな相棒といえるでしょう。
以下に、デザインとコンセプトにおける主な違いをまとめた簡易比較表を示します。
観点 | ハンターカブ(CT125) | クロスカブ(CC110) |
デザインの印象 | 無骨でアウトドア向けのタフな見た目 | カブらしさを残したポップで親しみやすい外観 |
コンセプト | レジャーや冒険向きの本格派 | 街乗り・通勤もこなす遊び心ある実用派 |
ヘッドライト構造 | ハンドルマウント式 | フレームマウント式で軽快な操作性 |
カラーバリエーション | 落ち着いたアースカラー系が中心 | 明るく多彩なカラーバリエーション |
キャリア類の装備 | 積載性の高い大型キャリア付き | コンパクトで実用的なキャリア装備 |
ハンターカブとクロスカブの違いをどう選ぶ?
・使用シーン別おすすめモデル
・メンテナンスのしやすさで比較
・燃費と航続距離をチェック
使用シーン別おすすめモデル
バイク選びにおいて最も重要なのは、自分の使用目的やライフスタイルに合ったモデルを選ぶことです。バイクには様々な種類があり、それぞれに向き・不向きがあるため、安易な判断は後悔のもととなることも少なくありません。
たとえば、週末に自然を楽しむアクティビティが好きで、キャンプや林道ツーリングなどに出かける方であれば、ハンターカブがおすすめです。ハンターカブはパワフルな125ccエンジンと高い走破性を備え、未舗装路でも安定感のある走行が可能です。特に3速での粘りが強く、登坂時や荷物を積載したツーリングでも余裕のある走りができる点が魅力です。また、タフな外観や豊富なキャリア類もアウトドア志向のユーザーにとっては大きなポイントになるでしょう。
一方、日常的に通勤・通学などで街中を走ることが多く、軽快で小回りの利くモデルを探している方にはクロスカブの方が適しています。クロスカブは車体が軽く、取り回しがしやすいため、信号の多い市街地でもストレスを感じにくい構造です。さらに、燃費性能が非常に高く、長期的に見ると維持費の面でも大きなメリットがあります。駐輪スペースが限られている都市部でも取り回しの良さが活かされます。
また、初めてバイクに乗るという方にとっても、クロスカブは安心して扱える車種といえます。シート高が低めで足つきが良く、取り回しの軽さからくる安心感は初心者にとって大きな支えになります。乗る頻度、目的、体格、経験値といった要素を総合的に考慮し、自分にとって最適な一台を選ぶことが、快適なバイクライフへの第一歩です。
メンテナンスのしやすさで比較
メンテナンスの観点から見ると、クロスカブの方が全体的に手間が少なく、日常使いにおいても管理しやすいという印象を受けます。最大の特徴は、チェーンカバーがフルカバー式であることです。この構造によって、チェーンが外部からの泥や雨水にさらされにくく、結果として汚れが付きにくくなっています。そのため、チェーンの清掃や注油といった定期的なメンテナンスの頻度が比較的少なくて済むのです。忙しい日常の中で、こまめな手入れが負担になると感じる方には非常にありがたい仕様といえるでしょう。
また、クロスカブは2022年モデルからキャストホイールを採用し、チューブレスタイヤを装備するようになりました。この変更により、パンク時の修理が飛躍的に簡単になっています。チューブレスタイヤは、タイヤとホイールの間に空気が直接入る構造のため、パンクしてもゆっくりと空気が抜けるケースが多く、すぐに走行不能になるリスクが軽減されます。さらに、応急的な修理が可能なパンク修理キットが使える点も、利便性の高さを示しています。
これに対してハンターカブは、オープンチェーンカバーを採用しています。これはメンテナンス性を重視した設計であり、チェーンに直接アクセスしやすいため、清掃や注油の作業は簡単です。しかしその反面、チェーンが外部環境の影響を受けやすく、泥や雨水で汚れやすくなるため、よりこまめなケアが必要になります。特にオフロード走行をする場合は、汚れの付着が激しくなるため、頻繁なメンテナンスを心がける必要があります。
また、ハンターカブはスポークホイール+チューブタイヤを採用しているため、パンク時にはタイヤをホイールから外してチューブごと交換する必要があり、修理には一定の知識や技術、道具が必要になります。ツーリング先や山道でパンクした場合、携帯用のパンク修理キットだけでは対処が難しい場合もあり、その点では注意が必要です。
とはいえ、どちらの車種も基本的な構造はシンプルで、初心者でもメンテナンスしやすい工夫がされています。定期的なオイル交換やタイヤ空気圧の確認といった基本的なケアを欠かさなければ、長期間安心して乗り続けることができます。使用環境や走行スタイルに応じて、どの程度のメンテナンスが必要になるかを考慮し、自分に合った車種を選ぶことが大切です。
燃費と航続距離をチェック
燃費の良さは、日常使いやツーリングにおいて重要なポイントの一つです。クロスカブは実測で約68.7km/Lという優れた燃費性能を持ち、ガソリン代を抑えたい方にとって非常に魅力的です。しかも、チューブレスタイヤとの組み合わせで、長距離走行時の安心感も得られます。
一方のハンターカブは、排気量が大きいため燃費はやや劣りますが、約58.7km/Lという数字は十分に優秀です。さらに、燃料タンク容量が約5.3Lと大きいため、航続距離ではクロスカブを上回ります。つまり、一度の給油でより長い距離を走れるという利点があります。
このように、短距離を頻繁に走るならクロスカブ、長距離を一度に走りたいならハンターカブが向いていると言えるでしょう。
ハンターカブクロスカブ違いを総まとめで整理
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ハンターカブは125cc、クロスカブは110ccの排気量差がある
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出力はハンターカブが高く、坂道や荷物運搬に強い
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クロスカブは燃費が良く、日常使いに向いている
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車両重量はハンターカブの方が重く、安定性が高い
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クロスカブは軽量で取り回しがしやすい
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シート高はクロスカブの方が低く、足つき性に優れる
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ハンターカブは前後ディスクブレーキを採用
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クロスカブはリアがドラムブレーキで整備性が高い
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タイヤはハンターカブがチューブ、クロスカブがチューブレス(新型)
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デザインはハンターカブがアウトドア志向、クロスカブはカジュアル路線
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ハンターカブはフロント剛性が高く、オフロード安定性がある
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クロスカブはフレームマウントライトで軽快な操作感
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チェーンカバーはハンターカブがオープン式、クロスカブはフルカバー式
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メンテナンス頻度はハンターカブの方がやや高い
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航続距離はタンク容量の大きいハンターカブが有利